人手不足が深刻な中、店舗経営者や店長、本部スタッフは様々な業務をこなさなければなりません。
「もっと時間が欲しい」というのは多くの人の願いではありますが、残念ながら時間は平等に1日24時間しかありません。
その中で仕事を効率化して少しでも時間を確保するために、業務改善の考え方と手順を紹介します。
業務改善2つの原則は「廃止」と「発生時点処理」
廃止を検討
一番最初に考えるべきことは、「その業務をやめられないか」です。
やめられる業務の効率化を考える時間ほど無駄なことはありません。
例えば、会議のために作成している資料を、「これが無くなったらどの程度困るか」という観点で見直し、廃止してもさほど影響がないのならやめてしまう決断をするということです。
発生時点処理
廃止の次に考えるのが、情報が発生した時点で最終成果物を完成させるということです。
例えば、会議の議事録を手書きでメモして、あとからパソコンやスマホで打ち直すのではなく、最初からパソコンでメモを取ってそれを議事録(=最終成果物)とするということです。
付加価値を生み出さないムダな作業とは
業務改善では、1つ1つの作業を「情報を発生させる作業」と「ムダ(=情報を発生させない)な作業」に分けて考えます。
情報を発生させる作業
情報を発生させる(=付加価値を付ける)作業はムダとはみなされず削減の対象にはしません。
記入入力
何も情報が無いところから文章や図などを書いたり入力したりして情報発生させる作業。
例:議事録作成、メール作成、資料作成
参考作成
何かの情報をヒントに新しく情報を作成する作業。
例:メモを元に提案資料作成
協議会議
複数人で議論して何かを決めて新たな情報を発生させる作業。
例:会議、打ち合わせ、話し合い
ムダ(=情報を発生させない)な作業
情報を発生させない(=付加価値が付かない)作業はムダな作業として削減を検討します。
転記
情報をそのまま他の媒体に移す作業。
例:印刷、コピー、手書きメモをワードに打ち込む、エクセルの売上数字を他のシートに入力する
確認
情報に間違いが無いか確認する作業。
例:検査、捺印
照合
転記した情報同士を照らし合わせて転記ミスが無いか確認する作業。
転記を排除すれば照合も同時に排除できる。
例:入力した数字に間違いが無いか2つのエクセルシートを見比べる
運搬
出来上がった情報を移動させる。
例:上司に手渡しで書類を持って行く、企画書を郵送する
機械化は最後に、業務改善の手順
業務改善は、作業を洗い出して可視化し、ムダな作業が無いか分析し、改善計画を立てて実行するという流れになります。
改善計画を考える際にはまず業務の廃止を考え、次に簡素化・分業分担を、最後に機械化(システム化)を考えます。ITシステムを導入すると効率化できるわけではなく、いったんシステム化してしまうと変更が困難になります。
廃止
日常の習慣化している業務について「本当にやめたら困るのか?」を問い直す。
簡素化
一部削減したり、手順を標準化したり、フォーマット化したり、「もっと早く、もっと簡単に」できないかを考える。
分業分担
「いつ、誰がその業務をするのがよいか」を考え、業務量の偏りを無くしたり、スキルの習熟を早めたり、業務の流れをスムーズにしたりする。
機械化
上記の手順で改善されて効率的になった作業を、機械によってできないかを考える。
いかがでしたでしょうか。
ムダな業務を削減し、貴重な時間を有効活用して売上を上げるための仕事を作り出しましょう。