「売上、利益を上げるため何をすべきか」を考える時に、経営学の考え方やフレームワークはとても有用です。
ただし経営学は言葉が難解だったり、言葉の定義が人によって異なったりと、とっつきにくくて使いにくい印象を与えがちです。
しかし大切なことは小難しい言葉をこねくり回すことではなく、自分のお店にとって意味のある解釈を導き、具体的な打ち手に移せるかどうかですので、この記事ではできるだけシンプルで実際に使いやすいように解説します。
言葉の定義
KBFとは
Key Buying Factorの略でカギとなる購買決定要因という意味です。
ユーザーがあなたのお店や同業他社のお店に行く時に一番重要視すること、これがカギとなる購買決定要因です。
KSFとは
Key Success Factorの略でカギとなる成功要因という意味です。
簡単に言うと、KBFを競合よりもより良く満たす要因がKSFです。
KPIとは
Key Performance Indicatorsの略で、カギとなる成果指標という意味です。
成果=Performanceを出す為に管理すべき指標です。
具体的な事例と施策
KBFの例
以前私がコンサルティングしていたキャバクラでは、お店の売上の大部分を占める顧客の来店動機はそれはほぼ間違いなく「指名したいキャストがいるから」でした。
実際に売上の80%を指名の顧客によって上げており、これがKBFだと判断できます。
KSFの例
そうするとKSFは近隣の競合他社よりも多くのお客様を「指名キャストがいる状態にする」ことです。
KPIの例
指名キャストがいる状態にするには、「接客したキャストを気に入る確率を高める」ことが必要で、それは「キャストの接客力と黒服のつけ回し精度を高める」ことで改善できると考えました。
そこでKPIを「場内指名獲得率(場内指名客人数÷フリー客人数)」と設定しました。
場内指名とは、指名の無い状態で来店してユーザーが、接客されてキャストさんを気に入ってその場で指名を入れることです。
そして接客力やつけ回し精度を高める為に「指名獲得マニュアル」を整備し、つけ回し研修や実地指導を繰り返し行いました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
事例は実際にやったことを極力簡略化しているので、そのままというわけではないですが、読んでくださった方が自分のお店に当てはめて使うイメージが湧けば嬉しく思います。
自分で成果を出せるオーナーや店長が感覚的に「こうやったら売上が上がる」と感じているものを、このように具体的に定義して数値化し、誰でも把握できる状態にすることが大切です。