新規出店時の初期投資はできるだけ抑えたいので居抜き物件を探す方は多いと思います。
居抜き物件は内装や設備が残っているので工事費用が大幅に削減できますが、一方で造作譲渡料という名目で内装や設備の買い取り費用が発生することがあります。
造作譲渡料とは
物件を借りて営業している借主が解約申し込みをした時に、家主の許可を得て次の借主に対して内装や設備を譲渡することで金銭を得るという契約です。
造作譲渡料は新たな借主が前借主に対して支払います。
造作譲渡料を値引きできる理由
私自身も居抜き物件への入居、居抜き物件の退居両方を経験してきましたが、その経験から造作譲渡料は高確率で値引きできると考えています。
売れたらラッキー
私もそうでしたが、そもそも造作譲渡で高く売れると思っておらず、
「1000万円くらいかかったし、500万円くらい回収できたら嬉しいな。一応載せるだけ載せとこう」
くらいの気持ちで造作譲渡料を設定している借主も多いと思います。
家賃を払いたくない
入居している物件を解約する理由のほとんどが「赤字」だからです、一刻も早く退居して出ていくお金を減らしたいというのが本音です。
しかし家主との契約で解約には6か月前予告が必要となっているケースが多く、その6か月間は
・赤字でも営業するか
・閉店してカラ家賃を払い続けるか
・6ヶ月分の家賃を払って退居するか
という地獄の選択になります。
次の借主が決まってすぐに入居したいとなった場合は、前借主は物件を明け渡すことで解約日までの家賃支払いをしなくてよくなります。
50万円の家賃で5ヵ月分残っている場合は250万円を節約できるわけです。
原状回復費用を払いたくない
借主には物件を入居前の状態に戻さなければならない原状回復義務があります。
店舗の面積や業種による設備内装によって変わるのでかなりバラつきがありますが、坪当たり2万円~10万円くらいかかります。
30坪のお店で坪当たり3万円かかったとすると90万円の原状回復費用が掛かります。
居抜きで入居してくれる新しい借主がいれば、この原状回復費用も負担しなくて済みます。
いかがでしたでしょうか。
解約日までに次の借主が決まらなかった場合、前借主がどれくらいの費用負担をしなければならないかを分析すると、
・造作譲渡料をいくらくらいまで下げられそうか
・造作譲渡料を支払わなくても物件取得できそうか
が見えてきます。
人気のエリアで狙っている人が多い物件では大幅な値引きは難しいですが、入居したい居抜き物件が見つかった時には造作譲渡料の値引きも視野に入れて検討する価値はあると思います。