お店の決済手段にクレジットカードや電子マネーを追加するかどうかは悩ましいところだと思います。
手数料もかかるし、場合によっては端末を購入しないといけないし、決済のやり方や取り消し方法をスタッフ全員に教えないといけないし…。
ちなみに私の経営するお店ではまだ現金のみにしています。(2019年からPayPayだけ使えるようにしました:あなたのお店でPayPay(ペイペイ)決済を導入すべき7つの理由と導入方法)
追記:2019年10月の消費増税に伴い、消費者還元事業者登録が始まり、キャッシュレス決済の導入は必須だと考えるようになりました。
AirPayやPayPayを導入していると消費者還元事業者登録の申請を代行してもらえるので楽です。
目次
導入の判断基準は売上への影響
クレジットカード決済を導入するかどうかは、
導入によって売上が伸びるか
を考えて判断する必要があります。
もちろん顧客のユーザビリティとしては導入した方がよいのですが、それで売上が増えずに手数料だけ増えたのではお店だけが苦しくなります。
導入のメリットは売上向上と不正防止
売上が上がる可能性がある
実際にクレジットカードや電子マネーが使えるかどうかでお店を選んでいる人もいますので、その決済手段を導入するだけで選ばれることがあります。
私は同じ商品、同じ価格、同じ近さであれば、クレジットカードや電子マネーが使えるお店を選びます。
また、現金が無くても買い物ができるので、衝動買いの機会を獲得することができます。
なお2019年10月から始まる消費者還元事業によって、キャッシュレス決済を導入して消費者還元事業者登録をしているお店での買い物には、消費者に対して5%のポイント還元が行われます。
これは消費者にとって大きなインパクトがあり、お店選びに影響を与える可能性が極めて高いです。
従業員による不正や着服が防止できる
クレジットカードや電子マネーはユーザーにも売上金額を見せた上で決済し、全て電子記録に残るので不正や着服がやりにくくなります。
私がコンサルティングしていたキャバクラで起こった着服は、当時紙の伝票を使っており、クレジットカード利用でない伝票を選んで意図的に紛失させ、その会計分を自分のポケットに入れていたというものでした。
その後POSを導入することになったのですが、POSと併せてキャッシュレス化を進めると不正や着服が起きにくくなります。
釣銭の用意が少なくて済む
キャッシュレスで決済できるということは、その分の釣銭を用意しなくても済むということです。
大型連休前に「釣銭たくさん用意しておかないと…」と焦らなくてすみます。
業種によっては常にレジ内に10万円以上の釣銭を用意しておかないといけないお店もあり、両替の負担だけでなく防犯上も問題があります。
導入のデメリットはコストと資金繰り
手数料がかかる
クレジットカードや電子マネー決済にかかる手数料はすべてお店負担で、ユーザーに手数料を課してはいけません。
たまにカード手数料を上乗せするお店がありますが、これは加盟店規約に違反しており、発覚すると最悪の場合クレジットカード決済ができなくなることもあります。
昔に比べてクレジットカード手数料はずいぶん安くはなりましたが、それでも売上高の3%以上をカード会社に持って行かれるのは、薄利多売の商売にとっては痛いものです。
資金繰りが悪化する
現金が入ってくるのが遅くなるので資金繰りが悪化します。
カード会社によっては月末締めの翌15日払いなんていうサイクルもあり、最大45日も売上金の現金化が遅くなってしまいます。
ただし、最近は売上金の入金が早いカード会社も増えています。
会計に手間がかかる
カードを決済端末に通す
↓
暗証番号を入力してもらう or 加盟店控えにサインしてもらう
↓
カード利用者控えを渡す
という作業が発生するので、現金会計より少し手間がかかります。
また、決済端末に不具合が起こると更に時間を取られます。(私が以前使っていたものはBluetoothの接続不具合が多かったです)
クレジットカード・電子マネー決済を導入した方がよいのはこんなお店
近隣に同じような業態のお店がある
ドラッグストアやコンビニなど、売っている商品や提供しているサービスがどこでも購入できる汎用品で、近隣にも同じようなお店がある場合には、
「クレカ(電子マネー)使える方に行こう」
となってしまうので、導入した方が良いです。
外国人観光客がターゲット
外国人観光客をターゲットにしているお店はクレジットカード決済必須です。
通貨を両替しなくても買い物ができるので、クレジットカード決済のニーズは非常に高いです。
会計金額が1円単位になる
小銭が増えるのはユーザーにとってもお店にとっても負担です。
ユーザーは財布が重くなるのが嫌ですし、お店も小銭のやり取りが増えるとそれだけ釣銭を用意しておかなければなりません。
営業中に釣銭が切れたら誰かが走って両替に行かなければなりませんし、両替にも手数料がかかります。
単価が高い
キャッシュレス決済の導入が進み、あまり多額の現金を持たない人が増えています。
単価の高い商品を売っているお店では、フラッと立ち寄った人が買いたいものを見つけたのに手持ちの現金が無くて購入を諦めるという機会損失が発生します。
この場合、その人が現金を取りに行って戻ってくる可能性は低く、ネットで同じものを探して買うでしょう。
お店の中で単価が上がる余地がある
キャバクラやガールズバーのように、お店の中で延長料や指名料、女の子のドリンクなどで客単価が多いに上がる余地があるビジネスではクレジットカード決済の導入は必須です。
酔って気分が良くなったユーザーは、「クレカあるからもう少しお金使ってもいいかな」と財布の紐がゆるんで単価が上がることが多くあります。
導入しない場合の対応を考える
ユーザーにとって便利な決済方法を導入しないのであれば、少しでもユーザーに不便を感じさせない決済方法にすることが大切です。
小銭が出にくい料金システムにする
クレジットカードや電子マネーを使う理由に
「小銭を出すのが面倒」
「お釣りで財布の中の小銭が増えるのが嫌」
というのもあります。
ですので可能な限りキリの良い価格にして、ユーザーの財布に小銭が増えないようにしてあげることが大切です。
私のお店ではクレジットカード・電子マネーの決済を導入していませんが、料金システムで100円未満の小銭が発生しないようにしています。
他にインセンティブを用意する
ポイントカードなどで
「このお店で買い物をしたい(サービスを受けたい」
というインセンティブ作ることも大切です。
LINE@は無料でポイントカードを作れて、ユーザーにとっても無くしたり財布の中でかさばったりしないので喜ばれます。
手数料が安くて入金が早いカード会社
AirPay(エアペイ)
AirPAYはリクルートグループが運営するカード決済システムです。
クレジットカードはもちろん、PayPayなど他のQRコード決済もほとんど対応済みなので、AirPayがあればもうそれでキャッシュレス対応OKです。
手数料
Visa、MasterCardR、American Express:3.24%
JCB、Diners Club、Discover:3.74%
交通系電子マネー:3.24%
入金サイクル
最大月6回、振込手数料0円
Square(スクエア)
スクエアはカードリーダーを購入すればスマホやタブレットでカード決済ができます。
手数料
3.25%~
入金サイクル
Times Pay(タイムズペイ)
100円パーキングのパーク24株式会社が運営するTimes Pay(タイムズペイ)です。
手数料
Visa、Master:3.24%
Diners:3.74%~
電子マネ:3.24%
入金サイクル
月2回、振込手数料無料
ドリームペイメント
手数料2%からのクレカ決済。ドリームペイメントは、支払いサイトが長くなりますが、最安値の手数料でカード決済を提供しています。
手数料
VISA、JCB、Master、AMEX、Diners、SAIZON、銀聯:2%~
入金サイクル
10日、20日、末締めのそれぞれ40日後
決済手数料・振込手数料無料のPayPay決済
2018年12月の100億円あげちゃうキャンペーンで一躍有名になった【PayPay】。
2019年9月までは振込手数料無料、2021年ごろまでは決済手数料も無料です。